武蔵野三十三観音巡りをしていなかったら、同じ県内にいたとしても知らなかっただろうと思われるお寺とご縁ができて嬉しいかぎりです。

松林寺のような美しいお寺を知ることができただけでも、武蔵野三十三観音巡りをしたかいがあります。

埼玉県に入ってからのブログ記事には、狭山観音霊場のことを何度も書いていますが、こちらの松林寺も狭山観音霊場のひとつです。

歴史は狭山観音霊場のほうが武蔵野三十三観音霊場よりも古いですからね。妙善院に続いて、明るい境内の松林寺まで歩いてやってきました。

とにかく山門からずっとまっすぐ真正面にあるのが本堂となる松林寺です。

曹洞宗の禅寺ですから、また「不許葷酒入山門」です。門の扉には、松の印がありました。

山号が書いてある額が木の枝で見えなくなっていますが、「長青山」です。

山門を挟んで「不許葷酒入山門」の反対側には、これまた古びた石碑があって、石仏が刻まれているようでした。

こちらの松林寺で、私は武蔵野三十三観音の終わりの日が伸びたことを知りました。令和2年4月1日から始まっているのですが、終わりの日が黒く塗られていたのです。

それまでは六月三十日までに回りきれるかと心配して急いで回っていました。

 


狭山観音霊場でもある松林寺は仁王様がお出迎え

私は、歩き巡礼ですので、まっすぐこの山門から入りました。

駐車場に停めている人は、脇から入ることになるそうです。

この参道もみごとです。

まずはお出迎えが仁王様です。怖そうですね。仁王様とも金剛力士像とも言われてますね。

この仁王様、写真ではそれほど大きくないように感じますが、かなり大きいです。

それにしても、この仁王様のところからでも参道の松の美しさがよくわかります。

いくつかありますが、どれも形がかっこいいです。さすが松林寺という松が名前に入ったお寺だけあります。


玄奘三蔵法師の像あり

山門から入った参道の途中には、玄奘三蔵法師の像が立っていました。

私は、坂東三十三観音霊場である慈恩寺の玄奘三蔵法師の遺骨が入っているとされる塔(玄奘塔)にも参拝に行ったことがあります。

観音様でも担いでいるかのような荷物を背負っています。

その前にはお猿さんの石像がありますね。

玄奘三蔵法師といえば、日本では三蔵法師が天竺へ向かう西遊記が知られています。石像の猿、河童、豚、馬ということ(孫悟空、猪八戒、沙悟浄、で西遊記を表しているのでしょう。

玄奘三蔵法師の後ろには、六角堂があります。

この六角堂は、薬師堂になっています。この薬師堂は、上野にある寛永寺の成就院から明治18年にこちらに移されたそうです。

常吉薬師と呼ばれています。薬師様ですから、日光菩薩、月光菩薩も一緒に奉安されているそうです。


松林寺というだけあって松の木がみごと

石の土台の上に立つ鐘撞堂です。

梵鐘も歴史ありそうな感じがしますね。

鐘撞堂とこの松の木が絵になりそうな光景です。松を見学させていただくだけでも、こちらのお寺を訪問したかいがあります。


本堂前にはアショカ王の獅子頭柱

その奥に、本堂があります。

回向柱でまっすぐにつながっているのは、千手観音菩薩だそうです。

本堂の前にあるのは、アショーカ王の獅子柱頭だそうです。ガンダーラの世界に入ってきますね。

こちらの本堂は、昭和51年に再建されたそうです。きれいですよね。

回向柱には、「平等性智」「経曰、具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故應頂礼」と書いてあります。

観音経の最後のほうに出てくる言葉ですね。

 



獅子の足元にも、彫刻がほどこされています。本堂側から写真を撮りました。

鐘撞堂も見えますし、まっすぐ伸びる参道も見えます。

こちら側からの回向柱も見えますね。

松林寺の御本尊は、釈迦如来で、観音霊場としては、千手観音が御本尊になります。



横からも写真を撮りました。お手綱の長さがわかりますか。回向柱には「成所作智」と書いてありました。

後ろに見えるのは、大きな観音菩薩像です。白っぽいので遠くからも見えるでしょう。

ここからの風景を見ても絵になる境内です。



先ほどの本堂をもう一度。

アショカ王獅子頭柱の一番下の台座には、「誕生」と書かれたレリーフがあります。

後で知ったのですが、お釈迦様の一生が描かれたレリーフだとのこと。

それにしても獅子頭柱が本堂前にあるお寺なんて、なかなか珍しいですよね。


一葉観音菩薩と十三重塔

山門に戻る時に見つけたのが一葉観音様。十三重塔のところに、一葉観音様がいらっしゃいました。

観音霊場としての御本尊は、千手観音ですが、こちらには、一葉観音様です。

そういえば、松林寺には閻魔大王がいらっしゃる閻魔堂があるそうなのですが、写真を撮るのを忘れてますね。

とにかく、松林寺はこれだけ管理するのも大変だろうに、と思うほど美しい境内のお寺です。

 

 



そういえば、いつもの狭山観音霊場の白い立て札を写真に撮るのを忘れていますが、こちらの松林寺も狭山観音霊場のひとつです。札所30番になります。武蔵野三十三観音としては、15番です。

最後にもう一度、山門の「松の印」を写真に取っておきました。

それにしても山門前のこの石の柱はひとつだけあったのですが、ところどころ、崩れてしまっています。

それがまた歴史を物語る感じなのですが、よくわかりませんでした。

私は巡礼で歩いた当日は、ここの松林寺で終わりにして、駅まで歩いて戻りました。

狭山ヶ丘駅まで歩いて30分くらいかかったと思います。

夕方になっていて駅まで帰ることが頭にあって、知らずに立ち寄らなかったのですが、松林寺に参拝する人は、一緒に裏手にある小野家住宅を見るいいそうですよ。

松林寺から5分ほど歩けば着くのだそうで、観光スポットになっているのです。

私は行かなかったのが残念です。日曜日のみ、中まで入って見学できるらしいのですが、それ以外の曜日であっても外から見るだけでもいいですね。

江戸中期に建てられた建造物、茅葺き屋根の古民家です。古き農家の家作りがわかるようです。

この小野家住宅は国の重要文化財にまで指定されているそうです。特に桜の頃がいいそうですよ。