秩父札所は花の名所でもあります。

紫陽花の常泉寺、秋海棠の法性寺とか、カタクリの花の久昌寺とかありますが、中でも長泉院の枝垂れ桜は有名です。

冒頭の写真は夕方近くになってしまったのだけど頑張って行ってみた時の長泉院の枝垂れ桜です。

夕方近かったので、暗めに撮れてしまったのですが、本当はもっと明るくてきれいな枝垂れ桜です。

実際に行って見ると枝垂れ桜のダイナミックさに圧倒されますよ。


長泉院といえば、枝垂れ桜

一眼レフカメラのいいものを持って写していればもっと枝垂れ桜の良さがでると思いますが、全体像を知るくらいはできるかと思います。

長泉寺の枝垂れ桜はかなりの大木でした。

秩父札所めぐりの人だけでなく、浦山口駅から歩いて桜をいくつか見て回る、ウォーキング目当ての人もいると思います。

だから秩父札所めぐりだけでなく桜の時期は参拝する人も多いことでしょう。

 


日本有数の石札が残るので石札堂とも呼ばれる

秩父市指定の史跡である説明書きも夕日で光ってしまっていますね。

「開山は正暦元年(990)平安時代中期である」と書いてありますから、かなり古い寺院になります。旧久那郡、上田野村の境にあります。

「無住の観音堂であったが元亀二年(1571)に日野沢(皆野町)大通院より和尚を招聘、以降曹洞宗に列して寺院としての面目を得た。

堂宇はその後何度も火災に遭ったが、現在の本堂は場所を移し、天保四年(1832)に建てられたものである。

日本有数の石札が残ることから石札堂とも呼ばれ、本堂左側の竹林も寺院のたたずまいを際立たせている」

と説明書きがありました。

元のお堂は今の長泉寺の前にある山、笹戸山頂にあったとされ、その山頂の岩の下に熊野権現を祀っていたと伝えられます。この時代は修験道の道場だったと考えられています。だから紀州熊野から送られた那智黒石の札などがあるのでしょう。

本来なら枝垂れ桜よりも歴史の古さや、石札なのでしょうね。

文化財としては、ご本尊である聖観音立像、石札(秩父札所が開創の時に紀州熊野から送られたとされる那智黒石の札、石札定置巡礼)、地獄極楽絵図、葛飾北斎の板額などがあります。

 


現在咲いている花の種類が書いてある長泉院

「あせび 赤白、みつばつつじ、そめい吉野、しだれ桜、つばき、白もくれん、木瓜」がこの日のラインナップ(笑)です。

こうやって書いていただくと、咲いている花がわかっていいですよね。

 



ついつい枝垂れ桜に気を取られますが、お庭も見どころ多しなのですよ。

まるで京都のような枯山水庭園です。

鳥居がありますね。



侘び寂びの世界。

手入れが行き届いていますね。



お庭から本堂を写してみました。

とはいえ、本堂の中までみていないのです。

外からだけです。もっとそばまで近寄ればよかったか。

今度行く時は、夕方ではなく、昼間に行ってみたいです。

本堂の中に、石札があるそうです。



石がゴロゴロしています。

祠にいるのは、奪衣婆かな。お賓頭盧さまとは思えないのですが、どうなのだろう。

 



本堂前から、境内の中にある桜を写してみました。

他にも花はありますよ。

やはり本堂をのぞきこんで見たほうがよかったか。

性空上人らの十三権者が秩父を回った時に石札を納めたといういわれのある「石札」の存在だけでも確かめたらよかったかと今になって思っています。


境内には火防の秋葉堂も

こちらは、秋葉堂です。

火災除けですね。

神社でも秋葉神社は、火伏せ火防の神様をお祀りしますよね。



ここがお寺とそれ以外をわける場所のようです。

壁とかではないのですね。



入口にも書いてあった白いもくれんの花です。

隣は桜、染井吉野ですね。

枝垂れ桜だけを目的にするのではなく、他の季節も「境内の花だより」が書かれていることでしょう。

他に時期にも行ってみたいです。

さて、長泉院だけが枝垂れ桜ではありません。


清雲寺のしだれ桜も一緒にめぐる

秩父鉄道の浦山口駅からてくてく歩いてウォーキングもいいかと思いまして、ご紹介するのが枝垂れ桜めぐりです。こちらの清雲寺も枝垂れ桜で有名です。

長泉院のほかにも荒川上野田地区には、どういうわけかみごとな枝垂れ桜があるのです。

浦山口駅から武州中川駅まで歩くとしたら、長泉院と清雲寺、その裏にあるという若御子神社でしょうね。

浦山口駅から歩いて、長泉院、清雲寺、そして昌福寺をめぐって武州中川駅、もしくは武州日野までという3ヶ寺めぐりもおすすめです。

 



咲き始めから5日くらいで、見頃を迎えた清雲寺の枝垂れ桜です。

こちらは、どうやら地域の人たちも枝垂れ桜のあたりを管理しているみたいでした。

濃いめのピンクの桜としだれ桜の2種類あります。

メインのしだれ桜は、樹齢600年なのだとか。



私が行ったのは、長泉院の後でしたので、さらに遅くて夕方の5時ころでした。

それなので、人もいませんでした。

お寺といいますが、長泉院から比べるとお寺の雰囲気よりも何か、公園のような感じでした。



お寺の境内というよりは、公園に近い感覚です。

後で調べたら、この奥には若御子神社があるということでした。



どの写真も夕日に照らされています。

これもこれでいいのかな。黄色の花はレンギョウの花でしょう。


長泉院と清雲寺と昌福寺まで歩いてみよう

先程の清雲寺しだれ桜の看板のところからは一旦、奥に入るような道を歩きます。

そこを通り抜けると、しだれ桜の世界です。

私は、この日はすでに夕方だったので、長泉院とここ清雲寺だけ見ましたが、さらに足を伸ばせば、昌福寺のしだれ桜も楽しめるそうです。

ただし、そこまで行きますと、武州中川駅と武州日野駅の間まで行かないといけませんので、ウォーキングですね。5キロくらいは、てくてく歩くことになりますよ。秩父の歩き巡礼の人なら慣れているでしょうから簡単でしょうけどね。