今回は、いつもの駅ではなく、西武線の横瀬駅からスタートした時のものです。
今回は、札所八番、西善寺です。
こちらの西善寺は東国花の寺でもあります。東国花の寺の中でも埼玉1番になります。
花というイメージからすると、えっと思うのですが、楓、コミネカエデが有名なお寺なのです。
そのコミネカエデが紅葉の時期には、入山料も必要になるのだとか。コミネカエデとしての拝観料なのかもしれませんが、秋の中でも晩秋の時期になるのかなと思います。
私が参拝で行ったときは、まだまだ紅葉ではなく、春のはじめの時でした。
桜にもまだ早い時期でした。
西善寺の門前には、霊場なので、物見遊山の人や酒気帯びの人は、境内に入れないという旨、書いてありました。
どちらもお寺という場を忘れている人ですよね。
コミネカエデが有名な秩父の西善寺
さて、西善寺に行くには、横瀬駅から降りて、三菱マテリアルの工場近くを歩いて田園地帯を通り抜けました。
線路を越えて、一部さびしい道もあったのですが、結局、30分くらい歩いたと思います。
歩き巡礼ですから、歩いている先に、延命地蔵がある、となるとそれに拝んでみたり、写真を撮ってみたりと、車での巡礼とは違う寄り道の多い巡礼になります。
御嶽神社はけっこうよくありますが、こちらは武甲山御嶽神社です。
本来は武甲山の山頂にあるのですが、こちらは里宮となります。
今までも武甲山は、秩父巡礼のランドマーク的存在だと書いてきましたが、山頂に神社があるのですね。
武甲山に登ったことがないので知りませんでした。
武甲山頂に祀られる社で、「山麓の根古屋に里宮がある」と書いてありました。
武甲山は神々しい感じがしましたが、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征の時に武甲山の山頂に式具を埋めて、関東の鎮護としたことが起源だと書かれていました。
こちらの由緒にも、天慶七年に関東地方に大流行した「悪疫」に対応するため医薬の神様である少彦名命をお祀りして祈願したということが書いてありますね。
今も昔も人間は悪疫との戦いだったのでしょう。
武甲山頂上の神社は奥宮となることが書かれていました。
後で調べてみたら、武甲山頂上の神社は無人の神社なのに、手入れの管理が行き届いているそうです。
歩き巡礼していますと、至るところに標識があることに気が付きます。
武甲山も方向が書かれていました。
札所6番、7番のことも書かれていました。。
私は今回は札所8番のための巡礼ですので、8番が指し示す方向へと歩いていきます。
ここの坂道を上って西善寺へと進みます。
境内拝観、撮影は九時から16時までと
札所の参拝は朝8時から夕方5時までとなっていますが、境内の拝観やカメラで撮るなどの人はそれよりは短め、時間も早めに終わりになります。
山門を入ったらすぐに見えるのが楓ということでしたが、私が行った時は、すべて緑がなくなっていました。
山門を入ると本堂もみえます。
こちらの西善寺は、紅葉が色づく頃はおそらく多くの人が参拝に訪れるのでしょう。
山門を入った時点で、見事さがわかります。
西善寺のコミネカエデは、埼玉県の天然記念物に指定されています。
樹齢は600年にもなるという立派な楓です。
お庭に下っていく途中に座っている像があったので、なにかと思ったら、石に座るお賓頭盧さまとのことでした。
おびんずる様のなで仏です。
身体の悪いところと同じ場所をおびんずる様の身体の中で探して撫でます。
今までみたおびんずるとは、ちょっと違ったイメージでした。
コミネカエデの近くから山門のほうを写真に撮りました。
山門を入ってすぐに緩やかな下り坂がありまして、そこに六地蔵もあります。
手前の枝がコミネカエデです。
まったく葉っぱがないことがわかるかと思います。
下っていくので、それほど高さがないように感じますが、樹高は9mあるということです。
とにかく、枝ぶりが大きくひろがっていました。
木札があって、「こみねかえで」、と書いてあります。埼玉県指定の天然記念物です。樹齢は約600年です。
根元も大きくひろがっていました。
苔にはまだ早い時期でしたが、苔も見えます。
今の時期のほうが、葉っぱがまったくない分、枝ぶりの様子がよくわかります。
西善寺は、このコミネカエデを中心にお庭があるというイメージのお寺です。
今度は、紅葉の頃に来たいですね。青紅葉でもいいのですが、枝だけでない時期に来たいです。
風が強い日だったので閉まっていましたが、いつもは戸が開いているようでした。
中に入ると、阿弥陀如来と観音様といらっしゃいます。
武甲山の麓に鎌倉時代にあった観音堂と地域での阿弥陀信仰がのちにひとつになり、ここであらたに開いたのだそうです。
禅寺という雰囲気が出ています。
11月23日には、毘沙門天の御開帳と邪鬼除け御祈祷の法要が行われているそうです。
侘び寂びの禅寺という雰囲気です。
コミネカエデに向かって左手に納経所がありました。
今回は、秩父札所としての御朱印と、東国花の寺のお寺としての御朱印をいただきました。
手前の枝は、桜のように思えます。
納経が終わって、ふとコミネカエデの根元をみたら、如意輪観音様がいらっしゃいました。
こちらの西善寺では、御本尊は十一面観音です。
こちらのコミネカエデの根元にある石の観音様は、如意輪観音でかなり苔むしていました。
「意のまま願うままに、富貴、財宝、智慧、勢力、威徳を授け与えて下さる如意輪観音さま」とのことです。
それにしても、如意輪観音様だけでなく、コミネカエデも根元は苔むしてしますね。
枝に葉っぱがないようなまだ寒い時期でもこれくらい苔むしていたのです。
おそらく紅葉がきれいな時期だと、葉のほうばかり気を取られてしまうので、このような何も無い時に、こういう石像などを見ておくがいいのかなとも思いました。