古びた石碑に、「仏道山」と書いてあるのが見えます。
ここ野坂寺は、お庭にいろいろな草花があって、秩父札所めぐりの人だけでなく、秩父のお寺に参詣したいという人にもおすすめのお寺です。
私が行った日もまだ寒い時期でしたが、すでにいろいろな花が咲いていましたし、これから咲きそうだなと思うものもありました。
芝桜のある羊山公園の麓にあるので、芝桜を見学した時にでも、ぜひ一度訪れていただきたいお寺です。
野坂寺は芝桜の丘をもつ羊山公園が裏側にある
私はいつもの通り、巡礼道を通って11番の常楽寺から野坂寺へと行きました。
芝桜の咲く羊山公園の麓の細い道を歩いて行きました。途中で、成田山がありまして、秩父にも成田山があることを知りました。
本堂は山の上だった模様。
お不動様の石仏もありました。
これは先ほどとは別の時に撮りました。
野坂寺に到着すると、参道には藤棚があって、藤の花が咲く頃にはきれいな花が見られるのだろうなと思いました。
この丸い彫刻は何なのか。その向こうにはお地蔵様です。
季節の花がいろいろあるので札所めぐり以外の人にもおすすめのお寺
梵字が書かれた丸い彫刻が狛犬のようにありまして、山門へと歩いていきました。
まだ寒い時期だったので、それほどお花が咲いていませんが、暖かくなったらいろんな花が楽しめそうです。
両側にあるのは、桜でしょう。
そういえば、6月頃には紫陽花も楽しめると書いてあったのを見たことがあります。
遠くから見たよりも、荘厳な感じのする山門でした。
入ってすぐに観音様の木像です。
野坂禅寺と額に書かれています。
この木像の観音様は、あずかり観音と呼ばれているようでした。
参詣者の奉納により置かれているようでした。
山門に入って右手には、十牛観音と書かれた額がありました。
力強い牛の像です。怪力柳生の牛と書かれていました。
本当に存在した(人の役に立っていた)牛を再現しているそうです。
牛の上にも観音様です。こちらが十牛観音なのでしょう。
山門の左手には、風神雷神の像がありました。
もう山門の時点で、見どころたくさん、という感じになりました。
山門を振り返ると、裏側には、釈迦如来や不動明王が線で描かれた絵がありました。
真ん中の柱には、艶めかしさがある観音さまの像が裏側にも置かれてありました。
境内には十三仏のお堂もあり
野坂寺には十三仏をお祀りするお堂もありますので、忘れないように見学するといいです。
山門を入ってすぐ左手にありました(トイレのすぐそばに)。
「高祖敬慕 十三尊仏 参拝入口」と書かれている札があります。
私は、十三仏は最後に見学することにして中に入ってみました。
水屋のところにある観音様もステキです。
もうこの時点で、花がすばらしいお庭だとわかります。
寒い時期ですが梅の花が咲いています。
おそうじ小僧という石像もありました。
その裏には枝垂れ桜でしょうね。その隣は、藤の花でしょう。
野坂寺は「子育て」と「子授け」の祈願ができるようになっていました。
子授けは観音菩薩、子育ては、この呑龍上人です。
呑龍上人のお堂もあります。
源平梅が見頃の時期に
いろんな色が混ざっている梅は、源平梅と呼ばれるそうで、これもそうだろうと思います。
白やピンクの花がきれいです。1本の木なのに、複数の色が楽しめます。
こちらは、本堂のほうから呑龍上人のお堂を写したものです。
源平梅がとてもきれいです。
梅の枝ぶりも見事です。
お庭には、石仏もいくつかあります。それらの石仏とお花です。下のほうにあるのはツツジだと思います。
もう少し暖かくなっていたら、光景も違っていたでしょうね。
こちらは、カンヒザクラかな。濃いピンクが特徴です。
不動明王の像のそばで咲いていました。
その隣にも観音様です。
枝垂れ桜もある野坂寺
枝垂れ桜の一部は花が咲いていました。
満開まではまだまだといったところです。
春には多くの人が訪れることでしょう。
春とはいえ、まだ寒い時期だったので、これからが見頃を迎えるところでした。
不動明王が置かれている場所は、お墓が近い場所なのですが、そこから、戻るように歩いていきました。
途中には、稲荷社らしきものもありました。赤い鳥居です。
隣には、白華観音と書かれていました。
こちらが本堂です。
本堂の前には、六地蔵なのだと思いますが、三地蔵にわかれていて、お顔がかなり特徴的でした。
こちらに見えるのは、「動、優、願」のお地蔵様です。赤ちゃんのようなお顔です。
ふれあい観音、六地蔵像などの表情になごむ
本堂の屋根のすぐ下には、天女の羽衣という雰囲気の彫刻です。
その下には、これまた見事な龍の彫刻が見えました。野坂寺は季節のお花が見事なのでそちらで知る人も多いのですが、彫刻にも注目です。
本堂の入り口左手には、「ふれあい観音」の像がありました。
ふっくらとしたお顔立ちです。聞くところによると、本堂前の六地蔵も、このふれあい観音も住職によるデザインなのだとか。
ホント、実際に見ますと和みますよ。どれも優しい表情です。
いつもの秩父札所に掲げてある絵です。
山賊にビームでやっつけた、というような絵に見えますね。
胸のあたりから光が出ていていビームを放っているようです。観音様の光ですね。
本堂に向かって左手に納経所がありました。
納経所に、他では見たことがなかった納経帳がありました。
御朱印のみを押すようになっている納経帳のようです。
古い冊子のように見えますね。欲しくなったのですが、今ある納経帳に続けていかないと思いまして、諦めました。
せっかくここまで御朱印をいただいて来たのですから。
根元には紫色の花がありますが、何という名前なのでしょうか。
その上は、モクレンなのか、こぶしの花なのか。まだ蕾が硬い感じでした。
納経を済ませてから、先程の十三仏のお堂に入って参観させていただきました。
その十三尊仏のお堂のそばにトイレがありまして、烏枢渋摩明王(うすしまみょうおう)です。
烏蒭沙摩明王とも書くそうですが。ご不浄のところにある明王様です。
不浄潔金剛、火頭金剛とも訳されているそうです。「頭髪が火焔の形をして一切の不浄を焼き尽くす力を持つ」と書かれていました。
私はトイレの守り神かと思っていました。
お花が見応えある野坂寺を後にしました。紫陽花や蓮の花も有名なのだそうです。
先程来た道からもっと山門前の参道を離れてみたら、住宅地の中に石碑がありました。
「御本尊 聖観音 佛道山 野坂寺」とありました。後ろの山のように見えるのが羊山公園のところになります。