秩父と言ったら、春の時期は芝桜を見に来る人が多くいるとして、芝桜の観光スポットとして知る人もいます。

その芝桜は、羊山公園の一角にあります。私は見に行ったことはないのですが、母や妹は見にいっています。
秩父に行ったことのある人の多くは、芝桜か秩父夜祭が目的ではないかと思うくらいです。

芝桜がきれいな時期は、芝桜祭りも行われています。私の中では芝桜というピンクのイメージがありましたが、ここ秩父の羊山公園にはブルーの芝桜もあるそうです。

羊山公園には、芝桜の丘のほかに見晴らしの丘もありまして、こちらはアニメ、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』にも出てくるとして知られています。桜の名所としても知られています。

その羊山公園から近いのが今回の常楽寺です。ちなみに羊山公園は、細長く広いので、今回の常楽寺とは反対側に札所12番の野坂寺があります。

常楽寺は厄除の元三大師をお祀りするお寺としても知られています。

元三大師ですから、1月3日が縁日となります。元三大師こと良源が亡くなった日が1月3日ですから、「元三」ですね。

十一面観音の縁日は4月20日だそうです。

小高い山の中腹にある常楽寺

境内には六地蔵もありました。

冒頭の写真でもわかるように、小高い山に登っていく感じのところに常楽寺はあります。

この山の裏側が大慈寺なのですが、あちらは急な石段でしたが、こちらの常楽寺は、急な石段もありますが、坂道からも境内に行けます。女坂のような位置づけでしょうか。

本堂の真ん前に行くには、石段からのほうになります。

どちらにせよ、秩父の中では交通量の多い国道の近くにあります。

車がビュンビュン通っていますが、常楽寺の中に入ると静けさが戻ってきます。


本尊の十一面観音は病気平寿や長寿祈願の観音様

こちらの本堂は、明治時代の秩父大火で焼けてしまい、明治13年に再建されたものだそうです。

以前は観音堂やら仁王門もあって伽藍がいくつかあったそうです。

秩父の札所でよく見る絵が掛かっていました。

あの絵は、いわれや由緒がわかりやすく描かれているのですよね。

中興の祖といわれる門海上人が仁王門の建設中に病に倒れ御本尊に祈ったそうです。

その時、夢に金剛神を従えた老僧が現れて、その後に目が覚めると病が平癒していたことから病気平癒のご利益を求めるようになったとか。

病気平癒や長寿祈願の信仰を集める観音様です。行基作と伝えられています。

常楽寺では厄除け元三大師もお祀りしていますが、元三大師の描かれた御札を病気除けに貼っているところもあります。

常楽寺は元から病気平癒の観音様ですから、新型コロナにおいても、アマビエ様のように御札を求める人もいるようです。

 


疫病退散に元三大師の御札を求める人もいる常楽寺

アマビエ様もそうですが、蘇民将来子孫也の御札とかも病気除けに買い求める人がいます。

疫病除けの護符に元三大師が描かれるのも理解できます。

アマビエ様の登場よりも元三大師のほうが古いのです。

令和2年6月には『疫神病除の護符に描かれた元三大師良源』というムック本も出版されたそうですよ。

元三大師が鬼の姿になって、疫病を退散させたということからきています。

常楽寺には、武蔵野三十三観音の御開帳についてのポスターも貼ってありました。

そういえば、その後6月に秩父に行った時、元三大師の鬼になったポスターが商店街などに至るところに貼ってありました。

疫病除けに御札を求める人がいるのでしょうね。


このように、秩父の町並みが見渡すことができるのが常楽寺です。

秩父の山並みも見えて展望にいい場所のひとつですね。町並みが一望できます。

ここは夕日がきれいな場所としても知られているそうで、山並みと町並みをいっしょに写真に写せるロケーションとなっているとのことです。

しかし、まだ日が高い時間帯に写真を撮りました。晴れた日の夕方に訪問してもいいですね。

 

こちらの階段が本堂前の石段になります。

こちらは急な階段になります。

私が参拝している時もお寺に来ている人がいましたが、どの人も私と同じ様に坂道のほうを利用していてこの階段のほうから来た人はいませんでした。

急な石段ということと、これだけ高さがあるから秩父の市街地を一望できるロケーションであることがわかるかと思います。


本堂に向かって右側、坂道のほうから登っていくとすぐの場所に納経所があります。

まずは本堂にお参りしてから納経所へ、ですね。



坂道を戻っていくと、道しるべの木がありました。聖地公園も札所三番もここから遠いのに方向を表すためなのか、書いてあります。

そのそばには、赤い鳥居がありました。

あとで調べてみたら、上之臺稲荷神社とのことでした。

こちらは本当に、山の中に立っていました。



山の頂上に神社があるのかと思ったら、登った先から折れまして、そのすぐそばに祠がありました。

お寺と稲荷社はいっしょに存在することが多いのですが、こちらも常楽寺といっしょに管理されているのでしょうか。詳しいことはわかりませんでした。



その後の追記


札所13番の慈眼寺の「あめ薬師」の縁日のことと一緒に常楽寺の元三大師についてのポスターがありました。

疫病退散の御札があるようでした。

本来なら、あめ薬師で(薬師様なので)、疫病退散としたいところでしょうが、縁日は中止とのことでした。