武蔵野三十三観音の札所めぐりの2回目です。

今回は、道場寺です。実は、ずっと前に三宝寺に行ったとき、てっきりこの道場寺が三宝寺と思い込んでいたのです。

よくよくみたら、道場寺となっていて、こちらのお寺も参拝したいなと思いながらも、三宝寺を優先してしまったのです。

今回は、武蔵野三十三観音の札所2番として行きました。

だから前を通ったのは、2回目です。それより以前に石神井公園の周りを散歩したことがあったので、そのときも通っていたのかもしれません。

寺標のそばにある見覚えある松の木が見えてきました。

他のところでは、つつじが見頃をすぎていたのですが、道場寺ではまだきれいな時期でした。

それとも種類が違うのでしょうか。

 


三宝寺に参拝に行った時から行ってみたかった道場寺

中に入る前に、道路から見える様子を写真にご紹介したいと思います。

境内のまわりは、このような壁に囲まれています。

三重塔でしょうか。外の通りからもよく見えます。


さて、さっそく中に入ってみることにしました。

都内では珍しい三重塔

おそらく道場寺に行った人なら印象に残るのは、この三重塔ではないかと思います。

道場寺のランドマーク的存在です。これを目印にするというのか。

昭和48年に作られたそうなので、奈良や京都にあるような歴史が長いものではないのですが、お寺に三重塔がるのは、いいですね。福井県の明通寺の三重塔を写して作られたそうです。総欅造りの塔です。

この三重塔の中には、薬師如来が安置されているそうです。

その薬師如来座像台座にはスリランカより拝受の仏舎利が奉安されているそうです。



道場寺には、立派な山門もあるのですが、そちらは使われていないようで、脇の道から入っていきました。

ゆるやかな坂道で(坂道とは気づかないくらい)少しずつ上がっていきます。

やはり見応えあるのが三重塔ですね。

前に見える緑の葉は、青もみじです。

紅葉の季節だったら、いいアングルでしょうね。

 



外から見ていた以上に、木々が多く、緑が深いお寺でした。

寺としての歴史は古く、奈良時代に行基菩薩が自ら作った阿弥陀如来を安置したことが伝えられています。

その後、1253年に大覚禅師を開山に招き、臨済宗の参学道場としたそうです。

石神井公園に行くとわかりますが、石神井城がありまして、その城主北条輝時がこのお寺を道場寺と名付けたそうです。藤原景村の養子である北条輝時は、姓を改めて豊嶋兵部大輔と名乗って、堂宇を整えて、香華所として、豊嶋山道場寺としたのです。それが永禄5年の時でした。

文明9年に石神井城は太田道灌によって落城し、戦火にまみれ堂宇は焼かれてしまいました。

その後、百年のち、永禄5年年北条氏康公によって虎朱印を拝領しました。

北条氏滅亡とともに、お寺も衰退したそうです。

その後、開基和尚が世田谷の勝光院二世観堂宗察大和尚を請して開山して、今度は曹洞宗の寺院として中興したそうなのです。中興の祖が観堂宗察大和尚ということですね。

そのため開山年としては、開創が天平元年(729年)、中興が慶長三年(1598年)ということになります。

現在の本堂には木彫りの三尊佛(釈迦如来、高祖太祖両祖師像=道元禅師、瑩山禅師)と聖観音像、薬師如来像が安置されています。


豊嶋山無量院道場寺の本堂

 

本堂の屋根には、鴟尾と呼ばれる鳥の尾のような飾りがついています。

本堂にてお経を唱えてます。

武蔵野三十三観音開創80周年記念ですが、御開帳にはなっていませんでした。

それと近くのお寺が放火されたと書いてあって、そのために扉は閉まったままになっているということでした。

本来なら、ご本尊の阿弥陀如来、武蔵野三十三観音としての聖観音菩薩も拝見できていたのかもしれません。

どことなく見たことのあるような建築だと思ったら、後で調べると奈良の唐招提寺の金堂を模した本堂だそうです。

扁額には、「道場禅寺」と書いてありました。



本堂前から、入口のほうをみてみました。

使われていない山門が立派にみえます。それと青もみじがいいですね。

境内はちょうど修理中でトラックが入っていましたが。


寺務所前の梵鐘は除夜の鐘がつける?

個人のサイトに除夜の鐘がつけるとして、道場寺が紹介されていましたが、最新情報はわかりませんでした。

立派な梵鐘なので、もし除夜の鐘をつくことができるなら、貴重ですね。

坂東三十三観音とかを巡っていますと、巡礼の時にけっこう鐘をつくことができるようになっているのですね。ただし、気をつけることがあって、必ず参拝前に撞くということです。

参拝してから帰り際にお寺の鐘に気づいて撞くというのは、とても縁起の悪いことだそうですよ。

道場寺では、入口が閉じられ、いつもは鐘をつけないようになっていました。

ちなみに、道場寺の行事は、1月1日に元旦祝祷会、2月15日の涅槃会、春と秋に彼岸会、4月8日に降誕会、5月8日は大般若祈祷法会、7月11日に大施食法会、7月13日、14日が盂蘭盆供養会、12月8日に成道会、12月31日午後11時半に除夜鐘と書かれていました。


本堂すぐ隣で御朱印をいただきます

本堂のすぐ隣が寺務所、武蔵野三十三観音第2番の納経所になります。すぐ隣なので場所はわかりますよ。

質素な造りの建物になっています。

この客殿は平成8年の建立で、曹洞宗改宗中興400年を記念して建てられたものです。


石仏群は古びた感じがしました。

練馬区最古の板碑があるそうなのですが、どこにあるのかわからず、でした。

 

そういえば、武蔵野三十三観音を開創した柴田常恵氏のお墓もここ道場寺にあるそうなのです。しかし非公開となっているとか。


木々や寺院の写真を撮っている人には秋の紅葉の季節に訪問をおすすめ

3月、4月頃ですと、椿や杏の花がきれいなのでそうですが、今の緑が深い季節もいいものです。

おそらく秋の紅葉の季節には訪れる人も増えることでしょう。

これだけ立派な青もみじがあるのですから。



私が入る時は閉じられていた山門です。

裏側から写真を撮ってみました。

青もみじでもなかなかかっこいいです。



次の三宝寺へ向かう時、四つ角のところにお地蔵様がいましたよ。

そばにある木は境内の内側になっているのに、このお地蔵様は、外側にいらっしゃいました。

道路を見守っていただいているのでしょう。

最後に寺標あたりの写真を。



寺標の石碑の間に鉄門があるのですが、そちらの扉がしまっているので、山門からは入れなかったのです。

なにか行事がある時しか開かないのかなと思いました。

このようになっていても、向かって右のところに本堂方面に入っていける道がありますので、中には入れましたよ。