こちら秩父札所10番の大慈寺は、実は初日に参詣していました。

初日には、札所2番を後日訪問することにしたために、かなりの数を回ることができました。

それで番号は飛んでしまうのですが、先に札所10番にも行っていたのです。

私は秩父にちなんだアニメ、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」は知っていました。

龍勢祭も見に来たことがあります。

しかし『心が叫びたがっているんだ』のアニメについては、知らなかったのです。2015年のアニメだそうですね。

その「ここさけ」の舞台となっているお寺が大慈寺です。

「ここさけ」を知らなかったために、巡礼途中で見かけたバス停、「ここさけ本当の自分ゆきバス停」を見たのですが、意味がわからず。

頭の中にはてなマークが飛んでいました。


大慈寺は『心が叫びたがってるんだ。』のファンが訪れるお寺

思ったよりも急な階段でした。ここの階段でアニメの登場人物たちが座っていたのですね。

今日は誰もいませんでしたが、アニメが終わってしばらくの時は多くの人が訪れていたことでしょう。

龍勢祭を見た帰りに立ち寄った定林寺でも「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」のアニメを真似している人たちがいました。

お互いに写真を撮っていました。アニメの聖地は、同志が集まる場所でもあります。

特にアニメのシリーズが終わった直後は、けっこう人が集まってきているものです。

「ここさけ」では、なぜ大慈寺が選ばれたのだろう。

高台にあって秩父というのか、横瀬町の風景が見渡すことができるからでしょうか。

さて、この階段を上って本堂へと行きます。



階段脇には、大慈寺の説明書きがありました。

アニメの聖地になる前は、札所巡礼の人くらいしか遠くから訪問しに来ていなかったのではないかと思うのです。

1490年の開創で、1493年に東雄禅師が再建し、開山したそうです。

本堂は玄関風の向拝、奥中央に内陣を配した江戸時代の建築だそうです。

御本尊のほかにも、多くの仏像があり、中でも子育観音が親しみのもてる仏像で、質素な彫刻に特徴があるのだとか。

 


小高い山にあるので山門からの眺めがいい

山門には、阿吽の仁王像です。

山門は比較的新しく感じました。

ここ大慈寺は、秩父札所の成立とほぼ同時期に作られたお寺なのだそうです。

ほぼ同時期なのに、選ばれたのですね。



参拝した時は気が付かなったのですが、マニ車もあったのですね。

1794年作の子育て観音、1714年作の寄木造りの地蔵菩薩も安置されているそうです。

子育て観音としての信仰も集めていたのだとか。



こちらの御本尊は、札所8番や9番と同じく恵心僧都の作だといわれています。

本堂の欄間にあった龍の彫刻が見事です。

龍の隣には御詠歌がありますね。



龍の彫刻は、色もしっかり出ていて、きれいです。

あまり話題になっていないということは、比較的新しい彫刻なのでしょうか。


武甲豆桜が六地蔵の後ろで咲く3月

境内には、六地蔵もありました。赤い毛糸の帽子がかわいいです。

後ろの桜は、武甲豆桜なのだとか。3月に咲く桜だそうです。

一重咲きの珍しい桜だそうで、後で知りました。先に知っていたら、もっと間近でしっかり見て写真にも撮っておいたのに。

遠くに山が見えますね。本来なら武甲山が見えるところです。

 

その後(秋)に行った時のものです。これなら武甲山がはっきりわかりますね。

3月の春バージョンと、10月の秋バージョンです。



その時は、いつもの奉納絵も忘れずに写真に取ることができました。

それにしても大慈寺は、『心が叫びたがってるんだ。』、「ここさけ」を抜きに語ることができないでしょう。

それくらいアニメの影響は強いのです。

今は札所巡礼よりもアニメの巡礼者のほうが多いのでは、と思うくらいです。


秩父札所巡礼よりアニメ聖地巡礼

納経所は、本堂に向かって右手にありました。

 

納経所ではアニメにまつわるものも置かれていましたよ。

そのひとつが絵馬です。納経所の前には、「絵馬、お守りあります」と書かれていて、アニメの登場人物たちの絵が描かれている絵馬が下がっていました。


こちらが実際に絵馬が掛けられている場所です。

大慈寺の境内はそれほど広いわけでもありません。

アニメファンが見て回るのには丁度いいのではないかな。

ほかにも訪れるべき場所もあるでしょうから。

絵馬を掲げてアニメに出てきた場所を確認できればいいでしょう。

それにしても、いつも思うのですが絵馬を掲げて帰るのが本来の姿でしょうが、お土産として持って帰るのはどうなのでしょうね。

この絵馬を見ていると、私なら持って帰りたくなりますが、ファンの人はどうなのでしょう。

 

その後、札所10番と札所5番語歌堂の中間にある県道沿いにあるバス停の写真を撮っておきました。


「心が叫びたがっているんだ。」の文字が見えます。札所10番の大慈寺と札所5番の語歌堂の間にあることがわかるようなバス停です。

行き先は、「本当の自分」です。

グーグルマップでも、ここさけ「本当の自分」ゆきバス停と出てきました。

その時、秋に行ったときの写真です。

 

近くでは、秋らしい光景が見えまして、目の前の田んぼでは稲穂が干されていました。



庚申供養塔です。ここには、「ひだり三番」と書かれています。

寛延元年のものだとか。

石段中程のこちらの光景は秋とすぐわかります。彼岸花がそばにありました。

宝永元年の心求とはまの「みぎ十一番道」の道しるべです。心求、はまの文字が見えます。

さらに大慈寺には、「ひだり十一番」の道しるべ石があって江戸巡礼古道は2つのルートがあるといわれています。

(ひだり十一番の道標は、まだ見つけていません)

裏山を通るハイキングコースみたいなコースと、山門の前の道を(比較的住宅地や大通りを通る)通るコースの2種類です。

秋に行った時は、ちょうど改元観音さまが札所十番にいらした時でした。

お賓頭盧さまと令和改元観音さまのTwo Shotってなかなかないと思います。

いつもなら、お賓頭盧さまを直接触れることができますが、この時は直接触れずに「エアーパワー」だそうです。

札所11番への巡礼道は2種類あった

さて、先程の2つ巡礼古道があったわけですが、山門の前を出て寺に向かって左へ行くコースです。

山門を降りてわかりやすい道を歩くコースは、摩利支天の前を通ります。

摩利支天堂の前を左に折れ、いったん県道に出て、坂氷の交差点手前で右に入るコースです。

こちらは比較的わかりやすいし、舗装された道を通ります。


境内から右奥にいくと、裏手にでる場所があります。こちらが、みぎの場合、「みぎ十一番道」です。

 

遊歩道の裏山コースは時間がかかって近道ではない

山門の前から行くコースは、その上近いのですが、江戸巡礼古道らしさがあるのは、裏山を登るコースです。

しかし、ここにも書いてあるとおり、山道だからか遠回りになります。山道で、坂道もあります。

けっして近道ではありません!

ハイキングコースのような道です。

ところどころ彼岸花がみえて、秋らしい光景です。

ぐにゃぐにゃと、つづら折りの山道を歩きます。尾根づたいに遊歩道(ふるさと歩道というらしい)を歩きます。

秋に参拝した時は、舗装されたコースを通り、再度、冬の時に遊歩道の裏山を歩くコースを選びました。

けっこう急な道を登ることになりますが、上まで行くとまわりを見渡せて気持ちがいいです。のどかな町並みがみえます。

 



何の印なのか、石の柱が立っています。冬、晩秋の時なので、枯れ葉が多いです。



札所11番から来た人のためなのか、今やってきた札所10番への方向が示されていました。

まっすぐ行く人もいるのかな。

見てわかるように枯れ葉がたくさんの土の道です。



尾根らしき場所にきました。鉄線が張ってあって、向こう側には行けないようになっていました。



尾根からみたら、ちょっとしたハイキングコースですね。遠くの山々が見えます。



整備されたハイキングロードになっているので、道に迷うことはありませんでした。



途中このような木の道しるべがあったというか、寝ていたのですが、札所に行く人だけが歩いているわけではないようです。

羊山公園へ行く人も利用するのか。右へは聖地公園と書いてあるようです。札所三番となっていますね。

札所十番はあくまでも途中のようです。途中で下に降りて札所10番の大慈寺に行く人のためにも残してあるのかな。



途中で開けたところがあり、武甲山も見えます。

札所めぐりと武甲山は切っても切れない縁です。





枯れ葉に埋もれてしまって道がわかりにくいでしょうが、下へと降りていく場所です。

札所十一番への道です。紅葉がきれいですね。



ちょっとこちらでいいのかと不安になったら、ちゃんと「巡礼道」の札がありました。

こちらの道であっているようです。

その先に何やら赤い屋根が見えます。


札所11番の近くまで来たら上ノ臺稲荷神社あり



ここにも道しるべに、札所三番と聖地公園の方向と、札所十一番と羊山公園の方向が書かれていました(札所十番は、あくまでも途中で下りるための道だったようです)。



上之臺稲荷神社というのだそうです。

以前、十一番に参拝に行ったとき、途中まで行って下にある祠で帰ってきましたが、てっぺんまで行ったら、本殿があったのですね。



「上之台稲荷は、旧秩父セメント株式会社が大正十四年創業開始を前に工場建設を行った時点で、当時下上野原地区に住んでいた雨宮家(現在上野町の雨宮植物園)の氏神として粘土山中腹に安置されていたとされるが定かではない

正一位稲荷大明神(宇迦之御魂神)伏見の稲荷を祀り、大正時代から多くの参拝者で賑わったようです」

と書かれていました。

十月の秋の例大祭、四月の例大祭、1月元日は祭りが行われているとのこと。

令和元年に奉納されたことが書かれていまして、比較的新しいなと思ったのはきれいにしたばかりなのでしょう。

これは令和二年10月に書かれたものですから、最近の情報のようです。



神職の方が常駐しているわけでもないのに、これだけきれいだということは、まだ塗り替えたりしてから時間がたっていないからだと思われます。



拝殿などはきれいなのですが、入口の門は古いまま残されています。

これはこれで歴史を感じますね。

赤や白の奉納旗はここ1,2年のものでしょう。



キツネさんは、昔からのものかな。

鳥居は塗り替えたばかりだと思います。




この稲荷神社からは下りばかりになります。



振り返ってみたところ。

札所十一番でお参りした時に登ったときは、ここまでも登っていませんでした。




下まで降りてきたら、説明書の板が倒れて置いてありました。

どうやら、私が札所十一番でお参りした時に途中まで登った時にみた祠は、金刀比羅宮だったようです。

坂氷金刀比羅宮です。

大国主命をお祭りしているようですね。

ところどころ消えかかってよくわかりませんが、昔より諸願成就とか、書かれていました。


どうやら、上之台稲荷神社の参道途中にあるのは、金刀比羅宮だったようでした。

下の方にちょっとだけ見えるのが、常楽寺、札所十一番です。

前回、札所十一番の時に気になっていってみたのは、ここまででした。

やっとこの山道は終わりです。30分はかかりました。

目の前には、お地蔵さまがいらっしゃることからわかるように、札所十一番に到着です。

お地蔵様の前が札所十一番常楽寺への参道です。

ハイキングコースとしては、羊山公園や牧水の滝を示す道しるべの木があります。