阪急交通社のバスツアーで坂東33観音を巡っている話の続きです。
念の為なのですが、私が参加した時は、バス2台で行ったために分散してコースを回っています。
1番の杉本寺だけは、1番に回らないといけないので、時間をずらしただけでしたが、それ以外はお寺の回り方を変えることで、あまりにも多い人数の団体さんにならないようにしています。
団体で行くのは便利なのですが、私も秩父で出会ったことがありますが、なるだけ個人はぶちあたらないほうがいいですね。
とはいえ、団体は時間が決められていますので、あまり長居はいたしません。
いくらお寺が気に入ったとしても「本日のコース」をこなさないといけませんから、ゆっくりみている時間もなく次へと行きます。
私もバスツアーではその点が懸念材料でしたが、みんなでお経を唱えて説明を聞いて、だけではなく個人個人でお寺を観る時間はありましたよ。
その点は心配なく。
ただし、いつまでもとどまっていられないという感じです。
人によっては、お寺の雰囲気に浸りたい人もいるかもしれませんからね。
小田原の飯泉観音は十一面観音
勝福寺に行きますと、すぐに見えるのが仁王門です。厄除け祈願と書いてあった札がありました。
仁王門には、「飯泉山」の山号の額があります。
年季が入っていますよね。
さすが坂東33観音のお寺です。
こちらの仁王門の仁王像ですが、曽我兄弟の仇討、として知られる曽我兄弟がこの仁王像に祈願したそうです。
怪力を授かったという言い伝えがあります。
仁王門もそうですが、仁王像の古さが物語ります。
入口にあった石碑ですが、こちらも古さが違いますね。
しかし、私には何と書いてあるのか読めません。
なんだか独特の字体です。
お寺の鐘は最初に打つ、帰り間際に打たないのがルール
鐘楼の後ろにいろんな石仏がありますね。
思い出したのですが、お寺に鐘があって、たいていは、鐘をつかないでくださいということが書いてありますが、ついてもいいという場合があります。たぶん近隣住民のためでしょう。
たまに鐘をついても良いというのは、秩父の札所でも見たことがあります。
ただし、気をつけることがあるのです。
鐘をつくなら、最初に、です。仏様にご挨拶の意味もあります。
そのうえ帰り間際につくのは、縁起が悪いのだそうです。
玄関のピンポンダッシュなら、呼び鈴を鳴らして逃げるということでしょうが、お寺の場合は、逃げるために鐘をつくのではないのですよ。
青銅製の龍頭の水鉢
船の先頭が、龍の形になっていて、口から水が出るようになっていました。水屋のところが船の形になっていたので、素敵なだと思い写真を撮っておきました。
船の後方には、十一面観音様が乗っています。
船首に柄杓が置いてありました。
こういう形のものは、めったに見たことがなく、私のお気に入りのデザインです。
勝福寺の鐘は銅鐘
水鉢は先頭の足もとが龍の足のようにみえます。
水鉢には宝永元年(1704年)刻まれているそうです。
龍をどアップで撮っていたら、鐘が見えました。このような場所に鐘があるのです。
銅鐘は、小田原の鋳物師、青木源右衛門が作ったと言われています。
再建されたお堂
勝福寺の創立は天平時代というのですから、とてつもなく、歴史の長いお寺です。
古刹というのにふさわしい。
弓削道鏡が下総国に行く途中に、運んでいた観音像が急に重たくなって動けなくなり、その場で安置し、千葉山弓削寺を開いたそうです。
のちに現在の場所に移って、名前を勝福寺に変更したのだとか。
品川区の大原不動尊も、お不動様を運んでいた時、休んでいたら、その場からお不動様の像が動かなくなって、その地にお不動様を開いたということを聞きました。
昔から、その場から観音様なり、お不動様なりが動かなくなってお寺やお堂を作るという言い伝えはあるのでしょう。
動かなくなったということで、お不動様なり観音様なりが、その地にとどまることを選んだのだ、というものです。
普門閣に観音様
赤が目立つお堂ですね。
勝福寺のご本尊は、鑑真和上が孝謙天皇に献上したものと言われています。十一面観音です。
さすが坂東ですね。
時代が、鑑真和上のいた時代です。
こちらの観音様は33年に1回、御開帳となりますが、次はいつお会いすることができるのか。
赤いのですが、決して派手派手しいものではなく、落ち着いた赤、朱色のお堂です。
現在の本堂は、1706年に再建されたとのことがわかったそうです。その時の形式や特徴を残しているそうです。再建とはいえ、歴史は古いのです。
その後、さらに昭和44年に改修されているということですから、建物自体は新しいほうなのでしょう。
神奈川県の指定文化財になっているそうです。
裏側からも写真を撮ってみました。
形としては、江戸時代のものなのでしょうが、昭和44年に建て替えられているためか、やはり新しさはありますね。
勝福寺の大イチョウは神奈川県の天然記念物に指定
勝福寺の大イチョウは、樹齢が推定で700年とのことです。
神奈川県の天然記念物でもあり、県の名木100選にも選ばれています。
勝福寺の本堂を中心にぐるっと回ってみたらみつけた六角堂です。
稲荷大明神の石碑が立っていました。
勝福寺の右手には、八幡神社がありますが、神仏混合の時代の色彩からどこから神社で、どこから飯泉観音の勝福寺なのかよくわからないようになっているとかで、県の天然記念物に、樹叢が指定されているのですが、「勝福寺と八幡神社」の樹叢となっています。
どちらなのか、境界がわからないこともあるようです。私が行った時は、冬の寒い時期でしたが、夏の暑い時期にみたら、光景が違っているのでしょう。
水向十三仏にはバシャバシャ水を掛けないでそっとかけましょう
水向十三仏は、お願い事を叶えていただくように水を掛けながら祈願します。
13仏巡りというのもありますが、13回の追善供養のための菩薩、仏様というのを聞いたことがある人もいるでしょう。
初七日から33回忌までの仏様です。
守り本尊でもあるのですが、その時々の供養のための仏様になります。
初七日の不動明王からはじまって、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、薬師如来、観音菩薩、勢至菩薩、阿弥陀如来、阿しゅく如来、大日如来、虚空蔵菩薩です。
ただ、この水向十三仏ですが、バシャバシャと頭から水をかける人がいるのだそうです。
そうではなく、そっと足元に水を手向ける感じでやりましょう。
いや、私も知らなければ、バシャバシャいっていたかもしれません。
その他にも、木の根元にも石像がありまして、お寺の名前が入っていました。
雪渓寺、岩本寺、金剛福寺など、四国八十八ヶ所の霊場でしょうか。
となると、弘法大師なのかしら。
金剛杖を持っていて、同行二人でしょうか。
再度、銅鐘のところに戻りました。
鐘の隣は、納経塔です。こちらは比較的新しい感じがします。
江戸時代には、相撲興行も行われていたとか。土俵も残っていたらしいのですが、これも見ていなかったのか、見ていても気づかなかったのか。
勝福寺という、相撲力士にとっては縁起の良さそうな名前のお寺ですね。「勝」に「福」ですよ。
それにしても、歴史が長いお寺ならではです。勝福寺は、一番早いだるま市を行うお寺として知られていて、12月のうちからだるま市が開かれるそうです。お正月すぐに飾ることができますね。
だるま市は、気になるなと思いました。
勝福寺は、二宮尊徳像があって、本堂に向かって熱心に拝む姿の像があるとして二宮尊徳の発願のお寺として有名だそうです。観音経を唱えているのを聞いたのだとか。
それなのに、私は、石仏やら石像、石塔などばかり写真を撮っていました。
あまり石仏や石塔についてブログに書いている人もいないのですが、ひとつひとつ調べたら、年季が入っているだけあって、歴史好きの人には興味をひくものかもしれませんね。
私は、やはりあの水鉢、船の形をしていて、龍の頭に十一面観音が乗っているというデザインが気になりました。あれはお気に入りなのです。
【阪急交通社のバスツアーに参加した時のブログ】
飯泉観音の勝福寺、坂東三十三観音第5番は今回のブログ
初めて札所めぐり巡礼に出るのなら
下のセットを見てもわかるように、最低必要なものからで大丈夫。
白衣やおいずる、金剛杖は、必要だと思った時に。
ただし、四国などのお遍路さん用ではなく、「観音霊場」のものを選びましょう。
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まずは輪袈裟(わげさ)を用意しましょう。
>>輪袈裟 般若心経柄 どこのお寺にも使えます お遍路用品 お遍路グッズ
数珠(念珠)は既にもっている人もいることでしょう。
自分の家にあるものでもいいです。
>>観音霊場巡礼用数珠 茶
納め札は「観音霊場」と書いてあるものを。
観音霊場共通というものでも、以下のような秩父、坂東、西国の別があるものでもいいです。
納経帳は最初のお寺で購入してもいいですし、前もって用意しておくのもいいです。
私自身はネットで購入してから行きました。千糸繍院のものは、坂東の時に買いました。ちょっとかさばるのですが、刺繍がきれいです。
>>千糸繍院 謹製 秩父三十四観音霊場 納経帳 西陣織/表紙刺繍 蛇腹式 全88ページ (桃地紋)
経本は最初のお寺で買ってもいいですし、心配なら前もって購入です。