文京区のように江戸33観音の札所が固まってあるわけではなく、こちらの世田谷観音だけ参拝ということになってしまうでしょうが、世田谷観音だけの参拝でも十分満足できます。
それが世田谷観音です。私も行く前は、すぐに次の場所へ移動できると計画を建てていた(神社に参拝しようと思っていた)のですが、世田谷観音だけでかなりの時間を使っていました。
それだけ見どころ満載のお寺です。
それどころか、1回行くだけでは満足できないほどです。
ということで、今回は江戸33観音札所の中でも写真多めになります。
私は入口を間違えて、山門側から入ったのではないですが、裏の入口の石の柱の上には、恵比寿さまと大黒様がいましたよ。
こちらの山門ではないほうの入口には、江戸33観音札所という札所が掛けられていました。
駅からバスなど不便だけれど見どころ多い世田谷観音
赤い字で世田谷観音参道と書かれた石碑があります。
その先には鳥居のようにみえるところもあります。
実は、こちらの世田谷観音には節分の日に行ったですが、いたるところに今年は節分の豆まきは終わりました、と書かれていました。
今までは毎年行っていたようです。節分会の豆まきは、平成にて終わり、だそうです。
一度は来てみたかったです。どんな豆まきだったのでしょうね。
行事もいろいろとやっているお寺さんなのでしょう。地域の人も何人も参拝に訪れていました。
日が暮れるのがまだまだ早い時期だったので、夕方の日差しで写真が暗くなっていますが、庭も池もきれいなお寺でした。
池のそばにあるのが不動明王さまのいらっしゃるお堂、六角堂です。
池のすぐそばの塔のような形をした六角の堂です。28日のお不動様の縁日に御開帳しているようでした。
お不動様には、八大童子がついていますが、その両方が見られる、ということで有名だそうですよ。
不動明王像は国の重要文化財だとのこと。私は、お不動様も関東36不動尊めぐりをしているので、こちらの縁日にも行ってみたくなりました。
池には夢違観音様の像があります。
悪い夢(二度と経験したくないことや怖いことなど)を良い夢に変えて下さる観音様です。
ご本尊が聖観音菩薩なので観音様のお堂が中心に
三重県伊勢長島のお寺の秘仏だったのが、こちらに来ているとのことです。
こちらがその観音様です。観音寺のご住職に写真を撮っていいと許可をいただきました。
やはりご本尊は、すばらしいです。
そのそばには、日光菩薩、月光菩薩の姿がみえます。
下のほうには、大黒様も。
大黒様は2体いらっしゃるのかな。
マリア観音という珍しい観音さまも見せていただきました。
欄間にある彫刻もいいですね。
あらかじめ、ご住職にも聞きましたが、すでに写真撮影OKと書かれていました。
写真撮影できると何度も見返すことができるのでありがたいことです。
三鈷の松は落ち葉を持っているとご利益が
本堂の観音堂の前には、三鈷の松がありました。
弘法大師のお寺に行くと見かけるあの三鈷杵です。唐の都から帰ってきたとき、三鈷杵を港から投げたという法具です。
高野山の松の枝に止まっていた三鈷を発見して、高野山の開創に取り掛かったといわれます。
その三鈷杵が止まっていた松です。不思議なことに、通常は二本の松の葉が三本あるとのことです。
ここの立て札には、「落ち葉を持っているとご利益がある」と言われている旨のことが書いてありました。
その近くには、馬頭観音、水子観音、八方睨み達磨の石像もありました。
特攻観音のお堂は向かって左手に
本堂に向かって左手には、特攻観音様をお祀りする特攻観音堂が見えます。
さらに歩いていきますと、多宝塔がありました。
世田谷観音一番のパワースポット
四方から眺めていましたら、地元の方と思われる方がやってきまして、世田谷観音の中で、一番のパワースポットはここなのだ、と教えていただきました。
気の流れに敏感な人なら、すぐにわかると言われました。
自分にぴったりの四天王がわかるのだとか。
東に持国天、西に広目天、南に増長天、北に多聞天、すなわち毘沙門天です。
私は残念ながら、気を感じることができませんでしたが、ここにいると落ち着く感じになりました。
説明の立て札を載せておきます。
「釈迦が霊鷲山で法華経を説法していると多宝如来の塔が出現し、中にいた多宝如来が釈迦を讃嘆し半座を空け、並座したとされる」と書かれていました。
多宝如来の塔だったのですね。
そばに四天王が守護しています。
再度、お庭のほうに戻りました。こちらからの夢違観音さまです。
韋駄天のお堂は建物が特徴的
観音堂、不動明王堂、多宝塔だけでもすごいのに、それだけではありませんよ。
韋駄天と阿弥陀如来がお祀りされているお堂です。阿弥陀堂は3階建?でしょうか。
足の早い神様として知られるあの韋駄天です。
スポーツの神様としてだけでなく、足腰を丈夫にしてくれるそうですよ。
天邪鬼が仏舎利を奪って逃げた時、すぐに走って取り返したという韋駄天です。
韋駄天走りはここからきています。
韋駄天のお堂に入ってみました。
阿弥陀如来の像に向かって右側に、韋駄天の像がありました。
それだけではありません。
目黒の五百羅漢寺からやってきたという羅漢像が九体です。
親切に、外に説明が書いてありました。
左奥からの写真です。
安堵感を与えてくれる像、しがらみを断ち切ってくれる像、問答を上達させてくれる像。
絡み合う心を解いてくれる像の羅漢像です。
右奥の説明です。
足元をみて真っ直ぐな道を教えてくれる像、痛み辛さから心を開放してくれる像、先見の明を与えてくれる像。
さらには、善悪の判断ができるようにしてくれる像の羅漢像です。
言われてみたら、なるほどと感じました。
これらの羅漢像は、東京都の有形文化財に指定されているとのことでした。
しかし九体あるというのですが羅漢像は八体だけ?
韋駄天の像も入れて、ということでしょうか。
先程は、裏門から入ったので、帰りは表の山門に向かっていきました。
すると恵比寿さまの像がありましたよ。
恵比寿様といえば、鯛です。しっかり鯛を持っています。
世田谷観音の境内には、七福神が全部で11体あるそうです。
そのひとつになりますね。
裏門にも大黒様と恵比寿様の像を見ました。
山門を裏側から撮ってみました。
本来はこちらから入ってお参りですね。
山門には仁王さまがそして、鳴き龍
仁王門となるのでしょう。
怖そうな仁王さまが立っています。
怒られているような気分になります。
金剛力士像と密迹力士像です。
阿形像が金剛力士像です。
吽形像が密迹力士像です。
あうんの両像です。
こちらの力士像も世田谷区内では最古にあたるお像だそうですよ。
浅草寺のような雰囲気になる提灯です。
ここが鳴き龍と言われる場所です。
提灯の上に、龍がいますね。その真下で本堂に向かって手を打つと泣いているように聞こえます。
提灯の下にも龍がいましたよ。
本当に、浅草寺を思い出すような気分になります。
仁王門を出て参道を歩きます。
参道を歩くと、地蔵菩薩の像がありました。
観音寺の本坊は、旧小田原代官屋敷だったのですね。
何から何まで、歴史を感じるお寺です。
ここは、十分に時間に余裕を持ってお参りすることをおすすめします。
先程の、仁王門を参道側から写真を撮ってみました。
仁王門の前には、狛犬もいますね。
神社に狛犬ならわかりますが、お寺にも狛犬がいるのですね。
そういえば、本堂である観音堂の前にも狛犬がいました。
世田谷山観音寺と門標の石碑に書いてある文字は、吉田茂による字だったのです。
そのそばには、七福神の恵比寿様の像ですね。11体までは見つけられませんでしたが、5体は見つけたかな。
こちらは、入口の特攻平和観音と書かれた石です。
こちら側には、大黒様の像を見つけました。
今度は、お不動様の縁日に来て、鎌倉時代作とされる不動明王の像を見てみたいなと思いました。
このように見どころ満載なので、江戸33観音札所めぐりの中でも指折りのおすすめのお寺なのです。
時間に余裕を持ってぜひ、ゆっくり参拝なさってください。